牡丹の花と夢と涙

ワードパレットから 夢、牡丹、涙

朝露に濡れた大輪の花は涙のような雫を落としていた。りんは何処かで見たような…?と首を傾げた。横にいたわかばが牡丹ですね、と頷く。芍薬と同じ仲間ですよと言われて思わず咳き込む。気付いてか、気付いていないのか、わかばは思い出したように
「りんさんがくれた芍薬、薄ピンクの物はピロートークっていう種類なんですよ」
りんは思わず姉のしたり顔が浮かび呻きそうになったが、今はひとまず考えない事にした。
夢見心地でフワフワしている彼の心はだいぶ浮かれていた。