ワードパレット -No.14- 滴る、 曇天、水溜り


降っていた雨は止み、わかばは雨宿りに使った建物から顔を出した。一緒に来ていたりつも顔を出す。
「にゃー、水の音が一杯で良い気分にゃ……」
わかばはそうなんですか?と耳を澄ませてみるが首をかしげ、りつは笑みを浮かべた。
「今までは一杯耳を澄ませてようやっとだったから嬉しいのにゃ……わかば君とりんが頑張ったおかげにゃ」
「いえ、僕は特に何かした訳ではないので……ご姉妹みんなのおかげというか」
「そういうと思ったにゃー。わかば君、りんの事よろしくね」
わかばはええもちろんと言った後で少し考えて
「でも、りつさんやりなさんも、僕にして欲しいことあったら言ってくださいね?皆さん無理しちゃうというか……りんさんもですけど……」
りつは少しきょとんと目を瞬き、わずかに頬に赤みが差して
「わかば君はそういう子だったにゃ……」