暗がりに仄かに光る橙の葉を持ったまま、わかばはうたた寝をしていた。りんは珍しい事もあるものだとぼんやり眺めていた。あまり寝なくても良いと言っていたが、こういう時はなるべく寝かせるようにしていた。が…ほんの出来心はやはりある。手を伸ばして?を触る。すると何かモゴモゴと寝言を言いながら、わかばは、りんの伸ばした手に顔をすり寄せ頭と顎で挟み込みんだ。りんは手を引っ込める事も出来ず固まった。あたふたするりんはふと、わかばの?が僅かに赤いのに気づき、思わず小突いた。痛っ、とわかばは呻いて飛び起きた。
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2019.9