ワードパレット -No.2- 甘い、突風、飲み込む

何処からか漂ってくる香りに、わかばは目を彷徨わせた。どこからで何の匂いだろうと、村の中を歩いていると突然吹き抜けた風に思わず目を閉じた。そんな所で何をしてるんだ?と風が吹いてきた向こうの道からりんが現れた。
手にはわかばが探した甘い香りのする木を持っている。それは何かと問いかけると、金木犀だと渡された。正直な感想としてりんさんみたいにいい匂いですねと言うと、息を飲むような音と共に小突かれた。